奈良ロータリークラブ
会長 朝廣 佳子
~心をつなぐ 未来へつなぐ つなごう奈良ロータリー~
この伝統と格式のある奈良ロータリークラブにおいて、中本勝ガバナー年度に会長を仰せつかったことに大変身が引き締まる思いです。若輩者ではございますが、先輩諸氏や会員の皆様からご指導いただきながら、皆様とともに一歩ずつ歩みたいと思っています。
2024~25年度ステファニー・アーチックRI会長は「ロータリーのマジック」を発表され、中本勝地区ガバナーは「持続可能なロータリー」を提唱されておられます。そのことを念頭に奈良ロータリークラブのスローガンを「百万一心 思いやりから生まれる奉仕と友情の輪」とさせていただきました。
ロータリークラブは、個々人が奉仕をし、その個々人の心を集めて一人ではできない事業を成し遂げていく素晴らしい団体であると思います。私自身も長年まちづくり活動を行う中で、皆が心を一つにすることで一人では出せない大きな力となり、成功に導かれていくことに気づかされました。
また、ロータリークラブというのは常々未来を創り、未来へつないでいく団体だと思っています。特に奈良ロータリークラブにおいては青少年に力を入れた社会奉仕事業の継続や、ローターアクトクラブ、インターアクトクラブ、青少年交換といった人材育成に重きを置いてここまで来た歴史があります。それらはすべて未来の奈良を、日本を創る礎になっていると考えます。
ロータリークラブを通して、会員同士だけでなく、地域や地区といった様々な人たちとつながることで、奈良ロータリークラブへの誇りが生まれ、次の世代によりよい形でつないでいけると信じます。それが中本ガバナーが提唱される「持続可能なロータリー」につながるのではないでしょうか。
地区をつなぐ
本年度、中本ガバナーのもと、地区幹事団及び地区委員会出向者を合わせると50人以上に出向いただきます。また我々は来年4月に地区大会の主管をし、多数の会員をお迎えいたします。大切なのは地区のことは出向者任せではなく、我が事として地区に思いを寄せ、地区大会を成功させるという目標を皆で共有することであり、奈良ロータリークラブ全員で作り上げる地区大会が、最高の心の「おもてなし」をお届けできたらと願っております。
地域をつなぐ
先に述べたように、奈良ロータリークラブは長年に渡り、次世代育成を展開してまいりました。その精神をさらに広げ、生活に困窮されているひとり親家庭の子供たちに忘れられない思い出を作るお手伝いをしたいと考えています。奈良では三千世帯ものひとり親家庭があり、そのうちの6割が生活困窮家庭となっています。大切な思い出があれば困難なことも乗り越えていける、乗り越えていってほしい、そんな願いから夏と冬に親子思い出体験づくりを実行できたらと思っています。その事業をロータリークラブだけで行うのではなく、RAC、IACはじめ、地元の大学生やNPO団体などと連携することで、ロータリーへの理解が広がると確信しております。多様な人々が共に生きる社会への道筋になればと考えます。
会員同士をつなぐ
上記の事業や活動の根本は何かと考えると、会員が奈良ロータリークラブを今以上に好きで楽しいと思っていただけることです。
また、本年は地区大会を控えていることもあり、奈良市5クラブと大和郡山を含めた6クラブ合同例会を開催します。ある書物に「ロータリーの本質とは親睦の中から奉仕の理想を生み出す集団」と書かれておりました。そのキーとなるのが「コミュニケーション力」を高め、互いを知り、思いやることではないでしょうか。
ロータリー活動に参加することで、自己の学びは言うまでもなく、誰かと会え、話ができる、温かい気持ちになれる、そんなちょっとしたことの連続がロータリークラブをより一層好きになることにつながっていくと思います。一人の退会者も出さないために、基本中の基本である例会を中心に、同好会を増やす、新入会員歓迎会を実施するなど、積極的につながりを目的としたことが展開できたらと考えています。
さらに本年度は国際奉仕として姉妹クラブである台南南ロータリークラブと共同でベトナムへの支援事業を行います。これを機に姉妹友好クラブ関係の見直しも行いたいと思います。
つなぐための基盤づくり
急速なデジタル社会への変化に伴い、我々の日常も変わりつつあります。将来につなぐ意味でも、取り入れた方がいいと思うデジタル化は少しずつ推進したいと考えます。一方で、ロータリーの基本に恒に立ち返ることも忘れず、規律あるクラブにもしていきたいと思います。
また、近年話題に出やすいハラスメントや最近頻発している各地での地震などから災害対策ということも含めた危機管理にも少しずつ準備を進めていけたらと思っています。
これらの事業を会員皆が心をつなげて行うことで、RIアーチック会長が提唱されている「ロータリーのマジック」を必ず生み出せると信じています。
最後に、私の父は滋賀の高島ロータリークラブの会員で、亡くなられた吉田壽一先輩と同期の会長でした。ロータリークラブがとても好きな父でしたが、私は父には最後まで反抗し、心がすれ違ったまま数年前に父は亡くなりました。年を経るにつれ、私は父のことを誤解していたかもしれないと、後々ずっと後悔しています。その父が生前、私が奈良ロータリークラブへの入会を伝えると、ものすごく喜んでくれました。就職も結婚も父が反対する道ばかりを進んできたので、ロータリークラブへの入会は、唯一の親孝行だったかもしれません。父の期待に応えるためにも、周りの方々に感謝の気持ちを忘れることなく、皆様と一緒に心をつないで全力で駆け抜ける一年にしてきます。